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{ 2010.12.29 }

自然対数の底

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    社内全体が「社長も書けよ」的な雰囲気になり、渋々書くことになりました。

    生まれて初めてのブログを書く納富です。初体験です。

    さて、いざ書こうとしたのですが、まず長いこと開発に関わっておらず、本ブログのタイトルである「Developers’」に合致しないわけです。
    社長としての何かを書いても「技術的でない」と怒られるでしょうし。。。

    そこでいろいろと考えた訳ですが、当社では「書籍発表」というものがあり、数ヶ月に一回順番が回ってきます。30分の持ち時間で、何かしらの書籍をみんなの前でプレゼンをする訳ですが、私が少し前に行った確率の話でもしたいと思います。
    当然ながら、プログラマーにとって「確率(Probability)」は非常に重要なスキルです。

    さて、本題

    皆さん、ここで質問です。感覚的に回答してください。

    ある洗濯機を1日に1回使います。この洗濯機、10回に1回の割合で故障します(故障確率:10%)。この洗濯機をあなたが毎日使うとした場合、いつ壊れるだろうと予想しますか?

    なんとなく、10日後くらいに壊れるかな、と考える人は多いのではないでしょうか?
    しかし実際のところを計算してみると、9日後までに故障する確率は、約61%となります。
    計算式は、

    1/10+1/10*9/10+1/10*(9/10)^2+・・・+1/10*(9/10)^8

    それでは、問題を一般化して、

    故障確率1/Nの機械を毎日使い、N日より前に故障する確率は?

    数式は、

    1/N+1/N*(N-1)/N+1/N*{(N-1)/N}^2+・・・+1/N*(N-1/N)^(N-2)

    となります。
    Nを大きくしていくとどうなるかというと、次の値に近づいていきます。
    0.63212 0559 …  (約63.2%)。

    自然対数の底

    この「0.63212 0559 …」ですが、次のように表されます。
    1.71828 18284 59045 23536 …/ 2.71828 18284 59045 23536 …
    この分母の数字、e」で表される自然対数の底です。

    y=e^x において、何度微分してもそのままという、不思議な数字です。

    要は、N日より前に故障する確率は、Nを大きくしていくと、e-1/e に収束します。

    感覚のズレ

    後半の方は、少し脱線しましたが、この確率における感覚的なズレは意外と使えるかもしれません。

    例えば、確率1%で当たるルーレットがあり、ずっと回すと69回目において当選確率が50%を超えます。
    1%というと、まー当たらないだろうと考えがちですが、何度もやっていると思ったよりも早い段階で当たる確率が50%を超えるのです。
    これに似た例でよく言われることとしては、ある組織の人数が23人を超えると、その中に同じ誕生日の人がいる確率は50%を超えます。
    23人というと意外と少ないと感じるのではないでしょうか。

    最後に

    会社で年間購読している雑誌NEWTONから目から鱗な話を。
    100万光年先の星というと、光の速さで100万年かかると思っている方がおられると思います。
    しかし、実際はそうではありません。距離が光速(30万km/秒)の100万年倍というだけであり、もしも光速に近い速度で進むことができるならが、空間の縮みや時間の遅れが発生するので、もっと早く着きます。
    仮に光速の99.999999%の速度で進むことができるなら、100年で約71万光年進むことができます。よって、140年くらいで到着するわけです。
    まー、そんな速度は無理なわけですが。。。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    もう2度と書くことはないと思いますが、みなさま、よいお年を。
    年内いっぱい続くようです。